厚生労働省は25日、次の介護保険制度改正に向けて大詰めの議論が続いている社会保障審議会介護保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)に、介護保険サービスを利用した際の利用者負担の変更案を示した。65歳以上でも現役並みの所得がある人については、自己負担割合を3割まで引き上げることなどが盛り込まれている。厚労省では来年の通常国会で、自己負担の引き上げも含めた関連法案の提出を目指しているが、同日の部会では、3割への引き上げに強く反発する意見も出た。【ただ正芳】
介護保険サービスの利用者負担は一律1割だったが昨年8月、「年間合計所得金額160万円、年金収入の場合280万円以上」の所得がある人については、2割に引き上げられた。
また一定の金額を超えた場合、支払った金額の一部が返金される「高額介護サービス費」の基準については、やはり昨年8月から現役並みの所得がある高齢者に限り、引き上げが行われている。具体的には世帯内に課税所得が145万円以上の65歳以上の人がいる場合に限り、3万7200円から4万4400円にまで引き上げられた。
これに対し、昨年12月に取りまとめられた経済財政諮問会議の「経済・財政再生アクション・プログラム」には、利用者負担や高額介護サービス費などについて、今年度末までにさらなる見直しを検討し、結論を得るべきとする内容が盛り込まれた。
こうした状況などを踏まえ、厚労省は25日の同部会に、利用者負担や高額介護サービス費について、改めて具体的な案を論点として示した。
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