鳥取中部地震では医療機関が断水に見舞われ、熊本地震の際は災害拠点病院の救急棟が一時停電した。こうした事態に備え、文部科学省の検討会は、災害時の医療拠点となる国立大附属病院の防災機能の強化を求める報告書をまとめた。井戸水をろ過するシステムの導入や再生可能エネルギーによる電力の確保といった対策を紹介。「災害に強い病院」を構築し、地域の診療機能を一時的に担うことも求めている。【新井哉】
附属病院整備計画を企画・立案する際、防災機能の充実・強化についても十分検討しておくことが必要―。東日本大震災や熊本地震で診療機能を喪失したり、大幅に制限されたりした医療機関が相次いだことを踏まえ、報告書は、地震や津波などの災害を前提にした整備計画を求めている。
報告書をまとめた検討会は、災害時に拠点病院となる国立大附属病院の防災・減災機能の充実を打ち出した国土強靭化基本計画を受け、文科省が昨年7月に立ち上げたもので、BCP(事業継続計画)や医療ガスの備蓄に取り組む名古屋大医学部附属病院などの国立大附属病院の事例の検証に加え、私立大附属病院の先進的な取り組みの分析にも力を入れてきた。
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