【株式会社ウォームハーツ代表取締役 長面川さより】
2016年度診療報酬改定では、初診時・再診時の「選定療養費」が義務化されました。対象は、特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院です。このルールの大きな方向性は、一般外来を縮小していくことです。今回対象外の病院でも、今後外来をどのように運営していくかの検討が必要です。今から院内で情報共有を進めておきましょう。
病院の一般外来の縮小はさらに検討されていくでしょう。例えば、診療所が十分カバーできる糖尿病のルーチン検査を今後も大病院で行っていくのか、合併症のため、複数の診療科によるコンサルテーションが必要な場合はどうするのかなど、医療機関の規模だけでなく、医師の役割と機能分化が課題となります。
厚生労働省は今後、外来データをさらに分析し、機能分化を進めていくと考えられます。大病院では特に、自院の医療提供内容を今一度確認しましょう。
選定療養費の義務化は、かかりつけ医を普及させ、「ゲートオープナー」機能を確立することと表裏一体の関係にあります。
16年度改定により、かかりつけ医に管理が求められているのが、主に「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」の生活習慣病と「認知症」の4疾患です。これは地域包括診療料、地域包括診療加算の要件とも強く関連しています。
16年度改定では、小児に対するかかりつけ機能などが評価されました。「人工呼吸器を付けているような医療度の高い患者や難病の患者を在宅に戻したい」「多くのNICUが満床かつ長期入院となっており、かかりつけ医と連携を行い、地域医療を推進したい」といった現状の声を踏まえ、政策の方向性が示されました。このように、入院だけでなく、外来の機能分化も着々と進められています。
次回配信は11月22日5:00を予定しています
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