2016年度診療報酬改定では、7対1入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の基準が引き上げられた。7対1病床を維持するため、地域包括ケア病棟などへのシフトが加速しそうだが、ASK梓診療報酬研究所の中林梓所長は、「地域包括ケア病棟でもやるか」と導入を決めても、結局はうまくいかないといい、この病棟の意義をもう一度考えるべきと強調する。【大戸豊】
中林氏は、病棟群単位による届け出は、7対1を残そうとするなら、間違いだと言う。
病棟群を届け出れば、まず2病棟以上を10対1に変えねばならない。来年4月からは7対1病床は全体の60%以下に抑える必要がある。さらに、DPC病院なら、機能評価係数Ⅰは10対1の係数が適用される。
中林氏は、強いて言えば、200-300床の病院で、大学病院、県立病院、済生会などとの競争が激しいため、まず病棟群を選び、その後は地域包括ケア病棟にシフトしていくのなら、理解できると話す。
ただ、地域医療構想で急性期の病床数が減らされる中、10対1で急性期として生き残れるかは疑問といい、10対1にも看護必要度が導入される可能性があることから、厳しい状況は続くと見ている。
中林氏は、7対1を守りたいのであれば、やはり一部の病棟を地域包括ケア病棟や回復期リハ病棟に転換しつつ、看護必要度を満たすのが、今のところ現実的ではないかと指摘する。 地域医療構想では、医療療養病床で医療区分1の患者の7割を在宅などに移すことになっている。中林氏は、18年度の診療報酬改定では、医療区分1に縛りが掛けられる可能性が高いといい、慢性期の側でも発想の転換が求められているという。
(残り2491/全3206字)
(残り2554字 / 全3284字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】