日本病院薬剤師会はこのほど、東京都内で「療養病床委員会セミナー」を開催した。発表者からは療養病床において、薬剤師が入院から退院、在宅復帰に向けて行うべきことが例示された。また、看護師の立場から、薬剤師に期待したいことも紹介された。【大戸豊】
八木病院(福岡市)薬剤科の澁田憲一氏は、在宅復帰に向けた薬学支援のあり方をテーマに発表した。
澁田氏は、マンパワーなどが限られる中、シームレスかつ継続的な支援を行えるかが重要といい、入院から退院まで、薬剤師が関与する業務を、優先順位を決めながら、段階的に取り組んでいく必要があるとした。
澁田氏は、退院に向けた目標設定とそこに向かうためのプロセスを明確にすることが重要と指摘。同院では、持参薬の識別時にPBPM(プロトコルに基づく薬物治療管理)※を進めているが、このような取り組みを通じて、効率的な支援につなげたいとしている。
また澁田氏は、退院に向けた支援においては、MSWやケアマネジャーへの情報提供と状況共有が重要とした。入院時には、早期にMSWから患者情報を得て、退院に向けたカンファレンスでは、服薬アドヒアランスの状況や退院後の生活環境のほか、退院後にも訪問薬剤師などの継続的な関与が可能かどうかなどについて、在宅関係者を交えながら話し合っている。
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