医療区分1の患者の7割を在宅に帰すのであれば、患者・家族に理解を得るしかない-。療養病床の入院受療率が全国的にも低く、在宅医療・介護施設での対応が進んでいるように思える長野県でも、今後の運営は不透明のようだ。全国的に見ても機能分化が進む長野県佐久市のくろさわ病院では、医療と介護で起きている危機的状況などを伝え、患者・家族にできる限り在宅や介護施設への移行を促そうとしている。【大戸豊】
くろさわ病院は長野県佐久市にあるケアミックス型病院だ。一般病床37床(10対1)のほか、地域包括ケア病床6床、医療療養20床、介護療養20床の構成となっている。同院は17年4月に新築移転する予定だが、介護療養はすべて医療療養にする計画で、介護療養の廃止に備える。
医療療養の医療区分1の患者は6-7割に上る。黒澤一也院長は、急性期の治療を終えても、独居や家族に介護力がないため、家に帰れない人が多いという。入院が長くなれば、病状はある程度落ち着くので、結果的に医療区分は下がることから、区分2・3の比率を上げるのは困難だと訴える。
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