2018年3月に廃止・転換の期限を控えた介護療養病床。厚生労働省がその機能の必要性を認めてはいるものの、今後の制度改革に病院関係者の注目が集まっている。そんな中、東京都大田区で療養病床のみの2病院を運営する医療法人社団京浜会の熊谷頼佳理事長は、1病院の介護療養病床を医療療養病床に転換させ、収支を上向かせることに成功したという。昨年度の病床機能報告制度では、医療療養の1病棟の機能を、回復期に将来転換する予定と報告。熊谷氏は今後、病院を存続させるため、国の方針にとらわれずに「顧客目線」を貫く考えだ。【佐藤貴彦】
京浜会が運営する新京浜病院(介護療養81床)と京浜病院(医療療養71床)は、道路を隔てて隣接する。京浜病院の全2病棟の看護配置を20対1以上に引き上げ、診療報酬の療養病棟入院基本料1を算定。介護療養病床のみの新京浜病院と役割を分けている。
ただ、2病院は介護保険制度が始まった2000年4月から10年以上、介護療養病床として運営していた経緯がある。
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「まったなし」の再編迫る療養病床-療養病床クライシス 2018(1)
東京の“療養病床銀座”から見た風景-療養病床クライシス 2018(2)
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