【富山市立富山市民病院中央研究検査部・病理診断科　齋藤勝彦】

　前回、臨床検査技師の課題を挙げましたが＝表1＝、近年の採用の増加傾向とベテラン世代の退職とがあいまって、大規模施設を中心に臨床検査部門の世代交代が進行しています。これにより、若手世代を中心に活気が戻りつつあるとも言えますが、その反面、世代の大きな転換は職場環境に少なからず影響を与えます。例えば、新採用の7－8割は女性であり、次第に女性中心の職場となってきているのもその一つです。
　全国自治体病院協議会による全国調査※でも、世代交代が進行している大規模施設ほど若い女性技師が増加しているとの回答が目立ちます＝グラフ1＝。それに伴い、出産・育児に対する課題も浮かび上がってきました。若手世代はこれから出産・育児をひかえた女性中心の世代です。仕事の上では、多くの技術を習得し、個々の専門性を高めていくワークキャリアの観点が重要ですが、一方で結婚、出産、育児といったライフキャリアとのバランスが必要となるでしょう。出産・育児の問題は、現に女性技師が増えている施設ほど、実感しているようです＝グラフ2＝。

※「2012年度アンケート調査」2012年10月に全自病加入全施設（922施設）に実施、462施設が回答した（回答率50.1％）

表1　臨床検査部門の世代交代の現状と課題

グラフ1　若い女性技師が増加していると実感するか

グラフ2　産休・育児休暇中の技師子育て中の技師は増えていると思うか

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