2015年度の介護報酬改定に向け、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大名誉教授)の議論が大詰めを迎えている。厚生労働省は先月末までに、すべてのサービスについての論点や対応案などの提示を終えた。各サービスの具体的な単位数が示されるのは来年1月ごろになる見通しだが、既に改定のおおよその方向が見えつつあるサービスも少なくない。これまでの議論を、CBnewsマネジメントの記事で振り返る。【ただ正芳】
処遇改善加算は継続、さらに高い評価新設も―厚労省案
病院・診療所からの訪看、報酬増額を提案―厚労省、介護給付費分科会に
■限度額の対象外サービス、拡大へ さらにサービスの利用促進を図る目的から、定期巡回・随時対応サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護、24時間訪問サービス)と複合型サービス、小規模多機能型居宅介護の報酬の一部や、サービス提供体制強化加算などを区分支給限度基準額(限度額)の対象外とする提案もなされた。
定期巡回などの一部報酬、限度額対象外に―厚労省
■特養や小規模デイなどは、引き下げを検討 ただ、厚労省が示した提案を概観すると、どちらかといえば報酬の引き上げより、引き下げを目指した提案が目に付く。 例えば特別養護老人ホームは、基本報酬の引き下げが論じられている。また、有料老人ホームなどを含む特定施設入居者生活介護のうち、要支援2の人に対するサービスの基本報酬について、要支援1と同程度まで引き下げる案を提示。小規模な通所介護事業所の基本報酬についても、「管理的経費の実態を踏まえ、評価の適正化を行う」としている。
特養の基本報酬、引き下げが議題に―介護給付費分科会
小規模デイ、基本報酬引き下げへ―厚労省、認知症対応などで加算も
デイの延長加算、宿泊との併用を規制へ―厚労省が提案
特定施設、要支援2の基本報酬引き下げ提案―厚労省、認知症対応の加算創設なども
そのほか、居宅介護支援や短期入所生活介護でも、一定の条件に該当した場合、基本報酬を引き下げることが提案されている。
ショートステイ、30日超泊に引き下げ提案―厚労省が介護給付費分科会に
福祉用具のみのプラン、報酬引き下げ提案―厚労省、居宅介護支援関連の議論で
■介護療養や小規模多機能には、新たな基本報酬 今回の改定では、介護療養型医療施設や小規模多機能型居宅介護のように、新たな基本報酬の設定が提案されたサービスもある。また、訪問介護については、20分未満の身体介護の算定要件を「要介護3以上の人で、一定の要件を満たす」などに限定する方針などが示された。
介護療養に機能強化型の新類型を提案―厚労省
小規模多機能型に2種類の基本報酬を提案―厚労省、同一建物へのサービスを軸に分類
通所・訪問リハからの卒業促す報酬新設へ―厚労省、介護給付費分科会に提案
訪問介護、「20分未満」の要件厳格化へ―厚労省が提案、改定論議が本格化
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