【福島県立医科大学附属病院 病院経営課病院企画係 中村孝】
■覚えるべきコードの種類は決して多くない
前回は、正しいコーディングによって、データの精度を高める必要があると説明した。今回は、DPCコーディングは、本当に難しいのかどうかを考えてみたい。
コーディングが正しくしないと、医師や看護師がどんなに素晴らしい医療を提供しても、適正な対価を請求できない。つまり、正しい収入が得られないばかりか、診療実績を可視化し、そのデータを改善に向けて役立てようとしても、誤った方向に導いてしまう危険性がある。
DPCコードは、2012年度診療報酬改定で2927分類、14年度改定では2873分類に分かれている。ただし、実際に使用するDPCコードは、大規模病院や大学病院でも、年間1000コードから1500コード程度であろう。DPCの対象患者の50%は、大体100コードの中に分類される。科別や病棟別に見れば、コードはさらに絞られる。
大規模病院で一番患者数の多い消化器内科系でも、使用するDPCコードは100コードから120コードで足りる。しかも、消化器内科の患者の半分は、たった6から10コードに収まるほか、患者8割が20から25コードでカバーできる。診療科により差はあるものの、1人の事務担当者が2927分類を覚える必要はない。
それを「コーディングは大変だー、人がもっと必要だー」と訴える方々がいる。本当にこの制度やコーディングの方法を理解しているのだろうかといいたい。
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