【山口大大学院医学系研究科教授・同大医学部附属病院薬剤部長 古川裕之】
患者に安心で安全な薬物治療を提供するためには、医師と薬剤師が、それぞれの役割を理解しながら協力する必要がある。患者の病気を診断し、その診断に基づいて治療方針を決める医師は、「治療効果」に注目する傾向が強い。そして、薬物治療を選択した場合には、程度の差はあるが、必ずといっていいほど「副作用」を伴う。副作用によっては、治療の継続が困難になったり、それが原因で、死に至ったりすることもある。近年、薬理作用の強い薬剤、あるいは、日本人での臨床試験データが少ないまま発売される新薬が増えており、副作用を監視する必要性が高まっている。そのため、薬剤師は、患者の安全確保のため、「副作用」に注目することで、役割の上で医師との良好なバランスを取ることができる。
次回の記事配信は、6月5日15:00を予定しています
(残り1573字 / 全1989字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】