【市立函館病院副院長 下山則彦】
病院経営はある意味単純である。単価が高く、収益の上がる患者を多数診れば、黒字化は必然である。急性期病院が患者を多く診るためには、急性期を過ぎた患者はリハビリ専門の病院で診ていただくのが一番である。病期に応じて適切に連携することは、患者さんのためにも、それぞれの医療施設にもメリットになるというのが、現在の医療制度である。
医療連携を実際に動かすのはID-LINKではなく、医療連携にかかわる各医療施設の職員である。市立函館病院では、2009年度に医療連携課の職員の入れ替えと増強を行い、連携事業のてこ入れをした。“待ち”の連携室から“攻め”の連携室への転換が目的である。
庶務課の大島課長を連携課長に据え、ソーシャルワーカーを増員した。看護局から看護科長をベッドコントロール要員として送り込み、現場と病院の意向を擦り合わせた。当院の1か月当たりの転院患者が、目に見えて増加していったのは、このころからである。
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