【医療環境情報研究所 代表取締役 大谷勇作】
今回は、調剤業務を専門とする薬局が急増した背景と、それが薬局・薬剤師を取り巻く環境にどのように影響したのかを考えます。
■過去10年ほどで6500薬局が増加
薬局の数は、院外処方せん受取率の急激な増加に伴って増えています=グラフ1=。薬局数は2012年5万5797薬局で、10年前と比べると6500ほど増えています。
グラフ1 薬局数の推移
また、分布状況は=グラフ2=の通りです。2000以上の薬局がある都道府県は、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡であり、北海道を除くと、大都市およびその近県です。
しかし、人口10万人当たりの薬局数を見ると、1位は人口約84万人の佐賀です。これに山口、広島、福岡、香川が続きます。このような“西高東低”の傾向は、医療施設にも同じように見られます。
また、人口10万人当たりの医師数は、東京は全国でもトップクラスですが、隣の埼玉は最下位であり(12年末時点)、その偏在も問題です。
その地域の人口(患者数)と医療施設(処方せん発行場所)の数、医師数(診療所の開設に関係)は、薬局数と深く関係しています。人口と医療施設が少ない地域であれば当然、薬局も少なくなります。
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