【医療環境情報研究所 代表取締役 大谷勇作】
2014(平成26)年度診療(調剤)報酬改定が行われましたが、処方せんに依存した薬局の経営は今後どうなるでしょうか。
処方せん発行総数(入院外)は、1990年代をピークに横ばいとなり、2000年代に入ってからは減少に転じ、2012年度は約11億5000万枚となっています。
一方、薬局の処方せん受取枚数は、同様に90年以降から年々増加傾向で、約7億6000万枚(66.1%)に達しています=グラフ1=。
グラフ1 処方せん総数と受取枚数の推移
日本薬剤師会(保険調剤の動向)処方箋受取率の推計「全保険(社保+国保+老人)」より
以前は、処方せん受取枚数の増加傾向だけをみて、処方せん調剤市場はさらに拡大が期待できるとよく言われました。
今回、診療(調剤)報酬改定の影響は非常に大きいと言われていますが、根本的な問題に対する危機意識は薄いと思います。
根本的な問題とは、=グラフ1=を見ても分かるとおり、処方せん総数は近年下降気味です。今後さらに医薬分業が進んでも、薬局が受け取れる可能性がある処方せん枚数は、残り約4億枚(約35%)程度です。
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