【佐賀県医療センター好生館企画経営課長 三浦 直】
患者移送ワーキンググループを立ち上げたころは、病院経営上なるべく入院患者は減らさずに患者移送を行いたいと考えていました。しかし、患者移送リハーサルの実施後は病院幹部も含め、「安全のため、移送患者数は極力少なくしよう」という考えに傾きました。
2回目のリハーサル終了後、看護部では連日、患者区分のための患者調査をより詳細に行ってもらいました。また、新病院における病棟・診療科の編成に合わせるため、一部の患者には現病院内で転棟してもらいました。さらに、一般病棟に入院中の重担架送の対象患者には、患者移送日の前日、救命救急センターに移動してもらい、移送時になるべく患者に身体的負担がかからないよう工夫しました。併せて、新病院での差額ベッド代が必要な病床(46床から93床と、約2倍に増加)の使用意向確認や「移送に関する承諾書」の取り交わしなどをしました。
入院患者数は、大手術を停止した4月22日から減少し始め(定期手術は4月27日から停止)、26日には200人を切り、移送日前日(30日)には117人まで減少しました =図1= 。
結果として、患者移送日の5月1日には、移送患者の総数は99人になりました。その内訳は、重担架送患者10人、担架送患者37人、車いす患者43人、独歩患者7人、タクシー使用による移送患者2人(新生児で親も同行)です。
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