【特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎 理事長 市原美穂】
在宅ホスピスケアについて学ぼうと、1997年(平成9年)に始めた「ホスピスケア市民講座」には、在宅医療を先駆的に始めていた医師や看護師、薬剤師、医学生などの医療関係者だけでなく、一般市民の方々を含め、延べにして600人余りの受講生が宮崎県内から集まりました。この講座を継続していく中で、宮崎のあちこちに「顔と技の見える関係」ができ、その仲間たちと共に、98年に「ホームホスピス宮崎」を設立することにつながりました。
しかし、高齢化や核家族化などで、どうしても自宅で1人暮らしができなくなったり、病院から退院となっても介護力がないために家に帰れなくなったりする方々から相談が寄せられるようになりました。それなら、家と同じ環境で、家族が悔いなく看取れるように補完する場がつくれないかと考えました。自立して暮らせなくなったら、自宅ではない「もう1つの家」に住み替えて、そこに、在宅ホスピスケアチームが入ってもらえばいいと、空いている民家を借りて「かあさんの家」事業をスタートさせたのが2004年のことです。
「かあさんの家」は現在、宮崎市内に4軒あり、1軒当たり5人の方々が共に暮らしています。そして、今年の6月に、10周年を迎えるまでになりました。
次回の記事配信は、4月3日15:00を予定しています
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