【浜寺中央病院院長 日本慢性期医療協会医療連携委員会委員長 井川誠一郎】
大阪では、医療療養病床を代表とする慢性期病院の一部について、post acuteを担う病院になり得るとお伝えした。実際、どの程度の療養病床がpost acuteを担っていけるのであろうか。
3次救急と慢性期病院が連携する「大阪緊急連携ネットワーク」では、参加する慢性期病院に対し、31項目の病態について、受け入れ可能かどうかのアンケートを毎年行い、対応可能な病態の一覧表を3次救急病院へ資料として渡している。
これに対し、抗がん剤、化学療法は対応が難しい。特に注射薬は実施した経験がないという理由で受け入れを断られることが多い。また人工透析に至っては、対応可能なのは34施設中わずか5施設のみで、各病院ともにベッド数が制限されている。
一番困るのは、精神疾患や高度の認知症症例である。中等度の認知症の場合は多くの施設で対応できるが、徘徊を伴う場合には対応できる施設はガクッと減少する。
(残り1750字 / 全2351字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】