【社会医療法人恵仁会 理事長 黒澤一也】
当法人では、1968年(昭和43年)の病院開設当時から在宅医療を行ってきた。1992年に訪問看護ステーションを立ち上げ、その後在宅を支える介護事業を展開している。
法人所属の3診療所のうち、2つは2006年より在宅療養支援診療所(在支診)の届出をしている。また、くろさわ病院も、10年4月に在宅療養支援病院(在支病)の要件が緩和された際、直ちに届け出ている。
当法人では、内科医だけでなく、皮膚科・形成外科・整形外科の各専門科医師も在宅医療を行っているのが特徴だ。
12年4月の診療報酬改定では、機能強化型の在支診が創設されたが、当院では、当直医以外に検視や施設・在宅での医療に対応するため、オンコール体制を敷いており、また、他の要件も満たしていたので、法人内外の在支診2か所と連携し、直ちに強化型を届け出た。
これにはいくつかの要因が考えられる。周辺地域にはもともと、在宅医療に力を入れている総合病院・在支診がある。加えて、医師不足や、外来・入院患者の増加などによって、法人の在宅医療は縮小傾向である。さらに12年9月には、過去1年間の看取り数がゼロになり、一旦強化型を取り下げた。在宅患者数が減少しているのと、看取りの段階になると病院に入院するケースの増加などが考えられた。
その後、看取りを積極的に行う別の在支診から連携の提案があり、先に連携していた在支診と共に再度連携し、昨年12月に強化型を再申請している。だが、今春の報酬改定ではさらに条件が厳しくなるため、強化型の取り下げも考えなくてはならない。
(残り1825字 / 全2569字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】