【国際医療福祉大大学院医療経営管理分野准教授 岡村世里奈】
前回も少し触れたが、日本においてメディカルツーリズムが脚光を浴びるきっかけとなったのは、2010年6月に当時の民主党政権が打ち出した「新成長戦略」において「ライフ・イノベーション」が7つの戦略分野の1つとして位置付けられ、その中に「国際医療交流(外国人患者の受入れ)」が組み込まれたことであろう。
また観光庁でも、日本の医療や医療機関を海外へ紹介するため国際イベントや見本市でもPR活動を実施したほか、旅行会社など国際医療交流に携わる幅広い業種間のネットワークを強化するためのワークショップなどが行われてきた。
さらに、厚生労働省においても、筆者が所属している研究班において、国内の医療機関が外国人患者の受け入れを円滑に行えるようにマニュアルを作成したり =図= 、勉強会を開催するなどの取り組みを実施したりするとともに、12年には「外国人患者の受入れ医療機関認証制度(JMIP)」(http://jmip.jme.or.jp/)を創設している。この認証制度は、海外から日本での治療を求めてやって来た外国人患者だけではなく、在日の外国人患者や日本に仕事や旅行でやって来た外国人が、病気やけがで治療が必要になった際に安心して日本の医療機関を受診できるように、外国人患者の受け入れに必要な体制をきちんと整えている医療機関を認証していこうというものである。
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