【慶應義塾大学病院入退院センター・退院調整看護師 大倉美紀】
■療養環境支援・調整とは
医療連携の業務は、「前方連携」と「後方連携」に分けて考えることがありますが、「後方連携」に当たるのが、「療養環境支援・調整」です。入院患者が対象であれば、いわゆる「退院支援・退院調整」になりますが、ここでは、外来患者を含めた患者も対象とし、「療養環境支援・調整」としました。
医療者から突然、「急性期の治療が終わったから、次の医療機関に行ってください(もしくは、退院してください)」と言われたら、患者とその家族は「見捨てられたのかしら?」とか、「こんな医療処置があるのに、家に帰れと言うなんて!」といった誤解をするかもしれません。「療養環境支援・調整」は、患者や家族が病気や障害について理解し、必要な医療や看護ケアを受けながら、どこで生活していくのか、患者や家族と一緒にチームで考え、その上で、新たな生活を再構築していくといったサポートや調整のことではないでしょうか。患者不在の医療連携にならないようにすることが、大切なのだと思います。
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