【鶴岡協立病院地域医療連携室主任 瀬尾利加子】
■「地域医療連携」って何をしたらいい?
医療や介護従事者の皆さんは「地域・医療連携」という言葉を聞く機会が多いと思います。しかし、具体的に分かりやすく説明しなさいと言われると難しいと思いませんか?
多くの病院の地域医療連携室(病院により名称は変わります)では、▽紹介患者の予約や受け付けなど▽紹介患者の各種データを基にした統計や分析作業▽退院する患者の療養環境を整える退院支援や調整▽病院と地域を結ぶ広報業務▽病院を飛び出し、地域の職種や事業所との関係づくり▽地域づくり▽地域連携パスの事務局や各種学習会事務局―といったさまざまな役割を抱えています。
連載では、全国連携室ネットワークの連携実務者による「医療連携の質評価プロジェクト」を紹介していますが、わたしは「地域医療連携室」の基本業務ともいえる「紹介および返信管理業務」について説明いたします。
連載1回目の「 連携が注目されたこれまでの10年 」(9月3日付・担当は宮崎県立日南病院の木佐貫篤医師)でも説明がありましたが、各地で地域連携が本格化した2000年ごろ、紹介率を要件とする加算を取得するため「紹介率30%を目指せ! 紹介患者を増やせ!」といった使命の下、地域医療連携業務を行っていた担当者も多かったのではないでしょうか。
このころから、紹介患者への予約対応や当日の受け入れ態勢の整備、紹介元医療機関への返信管理は重要な業務であり、それは地域包括ケアの時代になっても変わりません。
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