【医療法人社団愛語会 要町病院副院長 吉澤明孝】
前回は、当院での取り組みから、在宅医療の導入の準備と連携についてお話しした。今回は、導入の実際と、後方支援ベッドを有する「小回りの利く病院」が在宅医療の後ろ盾として必要な現状について説明する。
1)他院から当院(在宅クリニック)への在宅依頼の場合:
(1)他院の相談室から連絡(電話、ファクスで紹介状)⇒家族面談を依頼する
(2)家族面談⇒在宅医療について説明し、家族の希望を確認
(3)在宅現場の環境整備(準備)⇒ケアマネジャー、訪問看護師などの選定
(4)他院相談室へ退院時カンファレンスのセッティングを依頼(必要に応じて随時)
(5)退院時カンファレンスを行い、必要な医療処置や緊急時の対応(多くは当院対応)などについて確認。退院日時を決定
(6)在宅へ移行⇒早々に初回訪問
2)当院の入院患者(当院へ転院後を含む)の在宅移行の場合 :
(1)家族面談
(2)当クリニックで対応不可の場合は、かかりつけ医を選定
(3)介護保険の導入、ケアマネジャー、訪問看護師の選定など在宅環境の整備
(4)在宅に向けた医療処置(PEG、CVポートなど)
(5)退院時カンファレンス
(6)在宅へ移行 当院の入院患者が在宅に移行するというケースには、他院からいったん当院に転院し、在宅の準備処置として、内視鏡的胃瘻造設やCVポートの埋め込みなどを行った上で、介護・看護の環境体制を整えて在宅に移行させ、緊急時は当院で対応するというパターンも多く含まれる。
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