【多摩大学医療・介護ソリューション研究所フェロー 石井富美】
これまでDPCデータを経営分析に活用するための簡単な事例を、幾つか紹介してきました。今回は医療経営の品質評価への活用について触れます。
医療機関の業務には、2つの大きな柱があります=図1=。一つは診療中心の業務で、これは病院の本業である医療提供そのものです。診療マネジメントとしては、医療提供体制の整備、技術の向上、標準化や低侵襲化、医療機関としての専門性向上などがあり、「医療の質」が求められる部分です。
もう一つは経営管理中心の業務で、組織そのもののマネジメントです。これは診療中心の業務を行うために最高の舞台を整える業務であり、人材育成、職場環境整備などの目に見えるところから、消費税対策や災害対策などの将来のリスクに備えることなど、目に見えにくいところまでを行うもので、こちらは「経営の質」にかかわってきます。
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