【多摩大学医療・介護ソリューション研究所フェロー 石井富美】
これまでDPCデータを活用して、自院の診療実績を評価する手法を紹介してきました。しかし、どんなに良い分析を行っても、診療現場へのフィードバックを行わなければ、データを生かせません。今回は院内でのフィードバックの方法について紹介します。
連載初回に様式1の活用方法を紹介し、その中で平均在院日数について少し触れました。病院全体の平均在院日数を把握することも重要ですが、やはり診療科別、疾病別に見ていくことで、フィードバックもしやすくなります。特に診療科へ情報提供する場合は、病院全体の傾向と併せて、その診療科の特性や課題が明確になるような資料でなければ、医師にも興味を持っていただけません。
=グラフ1=は、ある診療科の退院患者の年齢と在院日数の関係をプロットしたものです。これは様式1から作ることができます。この診療科の平均在院日数は13.1日ですが、「手術なし」は10.7日、「手術あり」は13.8日となっています。症例数は「手術あり」の方が多いので、診療科全体の平均在院日数は13日を超えています。しかし、散布図の様子をよく見ると、平均値の13.1日より早く退院している人が多いことが分かります。
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