
■自然なリアクション
オフショアカンパニー(東京都港区)の「AI動画翻訳くん」は、多言語動画音声翻訳サービスだ。動画の話者の声質や話し方、感情、ニュアンスといった特徴をそのまま保持しながら翻訳。話者本人が各言語のネイティブスピーカーであるかのような自然で説得力のある多言語コンテンツを生成できる。
従来の字幕や吹き替えでは、機械的な声であったり、そもそもしっかりした翻訳ができていなかったり、話者とは全然ニュアンスの違う声で翻訳をされることが多い。「AI動画翻訳くん」では、独自の音声翻訳技術によって、話者の個性を完全に再現する。話者自身の声を維持し、まるで自身が外国語を流ちょうに話しているかのような自然な仕上がりになる。再現が難しかった声のトーンや抑揚、感情表現まで忠実に再現し、メッセージの真意を正確に伝達する。
各言語に対応する業界用語のデータベースを活用するとともに、既存サービスではなく独自に構築したAIエンジンを使用。これによって、より自然で正確な翻訳を可能にしている。さらに、AIによる自動翻訳をベースにしつつ、最終的には各言語の専門家がチェックを行うハイブリッド方式を採用している。
日本語、英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語など多様な言語に対応可能なスタッフがおり、対応言語数は50カ国語以上ある。AIの効率性と人間による感覚的チェックを融合させたハイブリッド方式により、品質にこだわった翻訳を実現している。翻訳精度は95%超を実現し、ビジネスシーンでも安心して利用できるクオリティーを追求している。専門的な医療用語や難解な表現も、高精度に翻訳でき、医療現場などでの利用にもニーズがある。
「AI動画翻訳くん」を導入した顧客には、専門スタッフが迅速かつ的確に対応する。翻訳結果の品質向上や医療など専門用語への対応、字幕などのカスタマイズなど、顧客のニーズに合わせて柔軟に対応する。翻訳の品質などもネイティブスピーカーでチェックする体制を整えており、品質チェックに合格したコンテンツのみを納品する。翻訳のニュアンスなど、細かな指摘に納品後も対応できるサポート体制を整えている。
自社のシステム開発部隊により、定期的なシステムアップデートや機能改善を行い、最新の技術を取り入れることで、品質向上に努めるのみでなく、顧客からのフィードバックも重視。サービス改善に積極的に反映する。
セキュリティーについては、情報セキュリティーマネジメントシステムの国際規格「ISMS(ISO27001)」の認証を取得している。顧客の動画コンテンツや機密性の高いデータを安全に取り扱う重要性を強く認識し、認証取得によって、顧客情報や社内データをさらに安全に管理する体制を整えている。今後も新機能の追加や、業界特化の専門用語データベースの充実といった、サービスの向上に努めるという。
■専門用語DBも構築
「AI動画翻訳くん」は、企業のグローバルコミュニケーションを支援する目的で開発されたが、医療現場の課題解決にも大きく貢献する。近年は海外からの移住者や訪日外国人の増加に伴い、病院では多言語対応の必要性が高まっている。しかし、言語の壁によって患者と医療従事者の間で正確なコミュニケーションが取れず、診断や治療に影響を及ぼすリスクもある。
医療関係者の視点では、専門的な医療用語を含む多言語対応は大きな負担になる。通訳者の手配や多言語資料の作成に時間やコストがかかり、緊急時の対応も困難となる。「AI動画翻訳くん」を活用すれば、医療機関が制作した説明動画を50カ国語以上の言語に95%以上の精度で翻訳し、患者に提供する。これにより医療従事者の負担を軽減し、効率的なコミュニケーションを可能とする。
医療環境の視点では多言語対応が不十分だと、患者の不安や誤解を招き、医療リスクも高まる。「AI動画翻訳くん」では、医療用語などの専門用語データベースを構築し、患者に信頼性の高い情報提供が可能となっている。高度なセキュリティー対策により、機密性の高い医療情報も安全に取り扱える。
患者の視点では、母国語で診療内容や治療説明を受けることで、理解度と安心感が向上する。言語の壁を取り除き、自身の健康状態や治療方針を正確に理解することができ、治療効果や患者満足度の向上が期待できる。
医療機関では、大阪赤十字病院をはじめとする総合病院や、クリニックでの導入が増えている。
導入先の医療機関では、病名などの専門用語や手術後の管理の内容を正確かつ分かりやすく伝えるため、外国人観光客や海外からの移住者の増加に伴い、多言語での説明が求められるが、通訳スタッフの不足や医療スタッフの負担増といった課題を抱えているところが多かった。
「AI動画翻訳くん」によって、制作済みの動画を英語や中国語、韓国語、ベトナム語、それぞれの言語に翻訳した動画を作成。字幕やテロップも含めて、患者への直感的な理解を促進した。また、手術の流れや治療のリスク、合併症などの説明がスムーズになり、患者の疑問や不安が軽減されたという声が多い。中には、説明業務が平均30%短縮される見込みで、医療業務に専念する余裕が生まれた事例もある。
オフショアカンパニーでは、顧客の課題解決と業務効率化に向け、導入後も継続的なサポートを提供することで、長期的なパートナーシップを築き、共に成長していく関係を目指す。
▽株式会社オフショアカンパニー「AI動画翻訳くん」
https://vectorinc.co.jp/groupservice/ai_translate