特定機能病院の承認要件の見直しなどを議論する厚生労働省の検討会が27日開かれ、同省は、特定機能病院のうち大学附属病院の本院を「都市部」と「地方部」などに類型化する案を示した。【兼松昭夫】
大学病院本院が特定機能病院として果たす機能は、都市部と地方部で異なるという指摘を踏まえた提案で、特に「医師少数県」の本院は医師派遣の機能や役割が都市部と大きく異なる可能性があるとしている。
厚労省では、地域医療を維持する観点からも特定機能病院による医師の派遣機能を重視していて、新たに承認要件にすることも含めて検討する。
「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」で引き続き議論し、承認要件の見直しや類型化の案を年度内に取りまとめる方針。40年ごろを想定して都道府県が新たに作る地域医療構想の検討とも整合性を担保する。
厚労省はこの日、特定機能病院の承認要件の見直しに関する論点を、医師少数区域などへの医師派遣のほか、
▽高度な医療の提供
▽高度な医療に関する研修・教育
▽高度な医療技術の開発・評価(研究)
-ごとに示した。
医師の派遣に関しては、大学病院本院による常勤医師の派遣実績に大きなばらつきがあることや、本院が多い都道府県ほど実績が少なくなる傾向にあるとするデータを出した。
また、医師少数区域への常勤医師の派遣実績は大学病院本院が1つしかない県で多い傾向にあることも分かった。
厚労省は、医師派遣や高度な医療の提供などの大学病院本院の実績が、地方部や本院が少ない県で低調になるケースがあると指摘して、「都市部」と「地方部」などに本院を類型化する案を示した。
それへの反対意見はなかったが、松本真人構成員(健康保険組合連合会理事)は「どの大学病院本院も何らかの類型に該当させるような現状追認型ではなく、大学本院に期待される役割を念頭に置いた上で、目標になるような基準を検討するべきだ」と述べた。
厚労省は、検討会が年明け以降に開く次の会合で取りまとめ案を示す。
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