厚生労働省は10日、全国にある急性期の病床が2015-23年に7.1万床減り、25年までにさらに0.7万床減少するとの見通しを明らかにした。15年から25年までの10年間では計7.8万床の減少となる見込み。【松村秀士】
ただ、病床の再編が見込み通りに進んでも、25年に必要とされる急性期の病床数(40.1万床)を11.7万床上回るとみられる。
一方、23年の回復期の病床数は15年から7.4万床増え、25年までさらに0.7万床増加する見通し。15-25年では計8.1万床の増加となる。25年の見込み数は必要数(37.5万床)より16.4万床少ない。
これらの見込み数は、23年度に行われた病床機能報告を基に厚労省が集計した。
各都道府県の地域医療構想に基づく病床再編では、急性期機能の供給過剰と回復期機能の供給不足をいかに解消させるかが最大の課題とされてきた。
病床機能報告は、病院や有床診療所が地域でカバーするそれぞれの医療機能を明らかにするため、14年度に施行された。
高度急性期・急性期・回復期・慢性期のうち、その年にカバーしている機能と25年に担う予定の機能(いずれも7月1日時点)を病棟単位(有床診療所は施設単位)で報告する。団塊世代の全員が後期高齢者になる25年を見据えた役割分担を「地域医療構想調整会議」で協議する際の参考などにする。
23年度の報告結果は、全国に339ある「構想区域」から報告があった機能ごとの病床数を厚労省が機械的に積み上げ、15年度からの全国ベースでの変化を集計。10日に開かれた省内の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」に結果を報告した。
■4機能全体で5.8万床減、15-23年
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