厚生労働省は10日、2025年の地域医療構想に関する「具体的対応方針」の検討状況に回答した1万2,560医療機関のうち841施設(7%)が依然として「協議・検証未開始」だったとする調査結果を「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」に示した。また、地域医療構想の推進の目標を年度ごとに設定していない構想区域が29(全体の9%)あった。【松村秀士】
厚労省では2月19-3月19日、各都道府県に確認票を送付。医療機関による対応方針の策定や検証・見直しの状況のほか、▽再検証の対象医療機関による対応方針の検証状況▽地域医療構想調整会議の開催状況▽構想区域ごとの目標設定や医療機関による対応方針の策定率・実施率-などの3月末時点の状況を聞いた。
それによると、回答した1万2,560医療機関のうち、対応方針について「合意・検証済みの結果に基づき措置済み」と答えた医療機関の割合は42%で、前年の同期から17ポイント上昇した。
また、「合意・検証済み」は49%(前年同期比14ポイント増)、「協議・検証未開始」は7%(同16ポイント減)、「協議・検証中」は2%(同15ポイント減)だった。
「協議・検証未開始」の841病院に理由を聞いたところ、「新型コロナ対応の経験を踏まえ、改めて検討中」や、「その他」として「医療機関に働き掛けているが、通常業務に加え対応方針策定に係る業務負担が大きい」と回答した。
また、地域医療構想の推進に関する年度ごとの目標は、全国に341ある構造区域のうち91%(312区域)が設定しており、前年同期から21ポイント上昇した。
一方、「目標設定なし」は21ポイント低下し、9%(29区域)だった。目標を設定していない理由として、「地域の具体的な課題を設定できていない」などが上がった。
今回の調査で、対応方針の策定状況が「協議・検証未開始」の医療機関や、年度目標を設定していない構想区域が依然としてあることが明らかになった。
そのため厚労省は、PDCAサイクルを通じて地域医療構想が推進されるよう、構想区域の年度目標や医療機関の対応方針、地域医療構想調整会議の活動、病床数の変化などの状況を引き続き定期的に把握・公表する。
また、地域別の病床機能の「見える化」やデータ分析、好事例の周知などで医療機関を支援する方針。
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