国立環境研究所は、50年に1度の頻度で発生する極端な気温上昇が起こった場合、熱中症の救急搬送だけで、東京都内にいまある救急車の稼働率が100%を超え、救急医療がひっ迫するという研究予測を発表した。気候変動がさらに進展すると見込まれる21世紀後半には、最大で7.4倍の救急車が必要になるという。【渕本稔】
研究では、1985-2014年を基準とし、21世紀半ば(21-50年)と21世紀後半(71-2100年)に期間を分けた。50年に1度の気温上昇については、日本上空の気候予測データセットから東京気象観測所に近いデータを取り出し、各年の最高気温の値を抽出。気候変動や温室効果ガス濃度の変化による影響なども考慮し、基準期間で39.4℃、21世紀半ばで40.8-44.5℃、21世紀後半で40.7-48.7℃と設定した。
さらに温室効果ガス濃度の将来予測を元に、産業革命前に比べて2100年時点の気温上昇が約2℃と約4℃、その中間になるとされる3つのシナリオを適用し、各期間での都内の救急車の稼働率についてシミュレーションを行った。
環境研の予測によると、
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