【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■ロボット手術充実県はどこか
4月の拙稿「ロボット支援手術機器導入による差別化要素を考える」において、ロボット支援手術機器の導入状況について述べた。届け出施設数の多い腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術について細かく見ることで、病院経営や症例集約化に与える影響を考える。
まず、前立腺悪性腫瘍手術のロボット支援手術機器の届け出施設数を都道府県別に比較した=グラフ1=。東京や大阪などの人口の多い都道府県では届け出施設数が多く、人口の少ない県は少ない。
65歳以上人口10万人当たりの届け出施設数で比較すると、鳥取の2.26件から新潟の0.42件まで、5倍以上の開きが見られる=グラフ2(上)=。都道府県内の人口分布と医療施設分布などに影響を受けるため単純に比較できないことは承知だが、人口当たりの届け出施設数が多い都道府県ほど地域の医療充実が期待できる。一方で、届け出施設数が多ければ、その分、病院間の競争が厳しいとも言えるだろう。
■件数増加の続く前立腺の悪性腫瘍手術
DPC公開データで、2016年度・19年度・22年度の前立腺悪性腫瘍の手術患者(01手術あり)の退院患者数の推移を見ると、約1万9,000件、約2万2,000件、約2万7,000件と増えている。退院患者数の増加に伴い、年10件以上の施設も増加している(10件未満は非公開のため不明)=グラフ3=。ただし、10から19件の施設は減っている。
さらに、
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次回配信は6月19日5:00を予定しています
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