厚生労働省は20日、訪問看護利用者の1人当たりの訪問看護療養費(医療保険)の請求額が1カ月間で60万円を超えたり、利用者らの求めに応じて主治医の指示に基づき訪問看護を緊急に行った場合に算定できる「緊急訪問看護加算」を毎日算定していたりするケースがあるとのデータを、中央社会保険医療協議会・総会に示した。委員からは、こうした高額な請求や頻回の緊急訪問看護の実態を把握・分析するよう求める意見が相次いだほか、適正化すべきだとの指摘もあった。【松村秀士】
厚労省によると、訪問看護ステーションの2022年の利用費用は約7,000億円で、15年から約2倍に増加しており、特に医療費の伸びが大きくなっている。
訪問看護利用者1人当たりの訪問看護療養費の1カ月間の請求額は平均9万8,125円で、1万円ごとに区切った分布を見ると3万円台が最も多い。一方、1カ月間の請求額が60万円以上の利用者が全体の1%余りいて、最も高い請求額は116万2,640円だった。
緊急訪問看護の利用者も年々増加しており、23年6月時点では1万5,888人と4年前の2倍近くに増えた。全利用者に占める緊急訪問看護加算の算定割合も増加傾向にある。
訪問看護基本療養費の緊急訪問看護加算を1日以上算定している利用者の1カ月の算定日数は、1日が最も多く、
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