2024年度の障害福祉サービス等報酬改定で、重度障害者等包括支援や行動援護に関する評価や基準が見直される可能性が出てきた。厚生労働省が19日に開かれた障害福祉サービス等報酬改定検討チームで、強度行動障害に関する福祉・医療の連携などを報酬で評価する方向性を打ち出したからだ。特に医療・教育、行動援護などの訪問系サービスや事業者間の連携について議論を促しており、「円滑な支援体制」の構築につなげたい考えだ。【新井哉】
厚労省が、強度行動障害に関する方向性を示したきっかけとなったのは、「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会」が3月に取りまとめた報告書だった。
自閉スペクトラム症や知的障害で強度行動障害を有する人に関しては、その特性に適した環境調整や支援が行われない場合、本人の困りごとが著しく大きくなって行動上の課題が引き起こされることが指摘されている。このため、報告書では、「個々の特性に応じた関わり方や環境の整備など適切な支援の継続的な提供」の必要性を提示。また、地域の支援体制の在り方として、医療との連携体制の構築に加え、▽支援人材のさらなる専門性の向上▽支援ニーズの把握と相談支援やサービス等に係る調整機能の在り方▽状態が悪化した人に対する「集中的支援」の在り方▽子ども期からの予防的支援・教育との連携-などを挙げていた。
報告書では、強度行動障害の状態により、通所系サービスに通えない状況となった場合は、行動援護や重度訪問介護、重度障害者等包括支援による個別支援の活用が有効との考えも示していたが、現状では課題が少なくない。
例えば、強度行動障害者に対する支援として、重度障害者等包括支援が期待されているが、
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