厚生労働省の有識者会議は29日、感染症関連の情報を匿名化した上で研究者らに提供する新たな仕組みの具体化に向けた提言案をおおむね了承した。2024年4月の制度開始時は提供する情報を新型コロナウイルス感染症に限定し、情報の連結先はナショナルデータベース(NDB)や介護保険総合データベース(介護DB)などを候補とする内容。秋ごろに開催される厚生科学審議会・感染症部会に提言を報告し、必要な政省令の改正を行う。【松村秀士】
22年12月に成立した改正感染症法により、発生届などで得られた感染症関連の情報を匿名化した上で、ほかのデータベースの情報との連結や第三者への提供を可能とする制度が24年度に始まる。ワクチン・治療薬の有効性や罹患後症状(後遺症)を分析するなど、国民保健の向上につながる調査や研究を促すのが目的。
厚労省の「匿名感染症関連情報の第三者提供に関する有識者会議」では、制度化に当たって情報提供する感染症の候補や項目、情報連結を可能とするデータベース、データの管理措置などについて検討を重ねており、29日の会合で具体化に向けた提言内容を固めた。
それによると、次の感染症の危機に備えて平時から運用経験を蓄積していくため、
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