【元松阪市民病院 総合企画室 世古口 務】
前回に引き続き今回は、公立病院であまり重要性を認識されていないコメディカル職員の中でも、管理栄養士と歯科衛生士について説明します。
病院に勤務する管理栄養士の業務は、これまでは入院患者に対する給食管理が主でありました。近年は入院患者に高齢者が多く、さらに悪性腫瘍の患者が増え、入院中の栄養管理業務が増加し、診療報酬制度においても入院栄養食事指導を中心に、これらの業務が高く評価されるようになってきています=資料1=。そこで、これらの業務を充実させていくために管理栄養士の増員が必要になってきています。
公立病院における管理栄養士の数を見ると、400床以上の病院では、近年増員が見られますが、400床未満の病院では、増加は見られていません=グラフ1=。
限られた管理栄養士の人数で、診療報酬制度で認められたことを全て実践していくには限界があります。管理栄養士が充足されていない、定数管理が厳しい公立病院、特に中小の病院では管理栄養士の業務を限定するといいでしょう。
第1段階として、管理栄養士の業務を、特別食を提供している患者の入院栄養食事指導に特化するといいでしょう。そして診療科ごとの入院栄養食事指導の実施率を検討すると、改善すべき点が明確になると思います。そして、これをほぼ完璧に達成できるようになれば、次は第2段階です。
第2段階では、特別食を提供していない患者、すなわち低栄養の患者、悪性腫瘍の患者の入院栄養食事指導に取り組むといいでしょう。これも診療科ごとの実施率を検討するといいでしょう。このようにして、実績を上げ、病院も管理栄養士の重要性を認識し、増員を達成したら第3段階です。ここでは、
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次回配信は9月8日5:00を予定しています
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