薬事・食品衛生審議会(厚生労働相の諮問機関)の医薬品第一部会は21日、製薬会社のエーザイなどが開発したアルツハイマー病(AD)の治療薬レカネマブの製造販売承認を了承した。厚労省では必要な手続きを経て速やかに承認する方針。【松村秀士】
同薬は、エーザイと米バイオジェンが共同で開発した。ADによる軽度認知障害(MCI)や軽度の認知症の進行抑制に効能・効果がある。
エーザイによると、早期のAD患者約1,800人を対象にした第III相臨床試験でレカネマブを投与されたグループは、偽薬を投与されたグループに比べて1年半後の症状の悪化が27%抑えられた。米国では7月に食品医薬品局(FDA)から「フル承認」を取得している。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβというたんぱく質が脳にたまって正常な神経細胞が壊れて脳萎縮が起こる疾患で、認知症の原因の7割近くを占める。レカネマブはアミロイドβを除去することでADの進行を抑制することが期待されている。
認知症の人は、高齢化の進展によって増加する見通し。厚労省によると、2020年に約600万人だった認知症の有病者数が25年には約700万人に達すると見込まれている。
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