財政制度等審議会の財政制度分科会が11日に開いた会合で、財務省は、特定の地域への医師の偏在に歯止めを掛けるため、主要国の対応を参考に、診療所の新規開業に対するこれまでよりも一歩踏み込んだ対応の必要性に言及した。医師や診療所が大都市で過剰になり、地方で不足する傾向の解消が現状のままでは見込めないとしている。【兼松昭夫】
厚生労働省が2020年に行った将来推計によると、医師の需給は29年ごろマクロで均衡し、その後は供給過剰になることが見込まれる。
しかし、医師の地域偏在の状況を示す「医師偏在指標」の値は、1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)のうち、東京・区部や川崎市南部など大都市で高いのに対し、東京・島しょ部や埼玉県秩父市など地方で低い。
さらに、人口10万人に占める無床診療所の数にも地域によって大きな差があることが分かっている。
20年度に国が作ったガイドラインでは「外来医師担当多数区域」での開業を希望する医師に、不足する医療機能をカバーするよう都道府県が要請することとされているが、財務省によると、そもそも要請を行っていないケースなどがある。
そのため財務省は、
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