社会保障審議会の介護給付費分科会は20日、介護施設・事業所の2021年度の「収支差率」が新型コロナウイルスの補助金収入を含めるとサービス全体で平均プラス3.0%となったが、黒字幅は前年度から0.9ポイント縮小したとする22年度介護事業経営概況調査の結果案を了承した。ほとんどのサービス類型で収支差率が前年度を下回ったことが明らかになっており、委員からは「大変危機的な状況にある」などと危惧する声が上がった。【松村秀士】
調査結果によると、介護施設・事業所の21年度決算では新型コロナの補助金収入を加えると各サービスの全てが黒字を確保した。
ただ、類型ごとの収支差率は、施設系の介護老人福祉施設が1.3%、介護老人保健施設(老健)は1.9%、介護医療院は5.8%のいずれもプラスとなったが、前年度と比べると、順に0.3ポイント、0.9ポイント、1.2ポイントそれぞれ低下。居宅系でも訪問介護が6.1%、通所介護は1.0%の共にプラスだったが、前年度よりも0.8ポイント、2.8ポイントそれぞれ下がった。
■事業所の存続を危惧する意見も
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