【千葉⼤学医学部附属病院 副病院⻑、病院経営管理学研究センター⻑、ちば医経塾塾⻑ 井上貴裕】
連載第83回において「ロボット⽀援下⼿術をどう考えるか」を取り上げ、40歳以上⼈⼝10万⼈当たりのda Vinciの都道府県別台数について2016年9月末時点の状況を示した。保有台数が多いのは、四国、関⻄、北陸であり、一般的に医療は西高東低になる傾向があるものの、意外なことに九州での台数は多くないことに言及した。ただ、その後、保険収載の拡大もあり、導入が進んでいることも予想され、いま一度ロボット支援手術について検討すべきであると考えた。グラフ1は、保有台数の推移であり、16年9月末で237台だったものが、あっという間に400台を超える状況まで増加。今後も傾斜こそ緩やかになれど、この状況は続くだろう。
客寄せパンダではないが、外科医集めのために多くの病院が重要だと考えており、ロボットを買ってほしいという要望は各診療科から上がるだろうし、すでに保有している病院は2台目の声も上がっているかもしれない。今後も保険収載が拡大されるのだとすれば、急性期病院にとっては必須アイテムとなる可能性がある。外科手術は、急性期充実体制加算を届け出るためにも、「重症度、医療・看護必要度」で基準値を維持するためにも、急性期病院にとって極めて重要である。だからといって、全ての急性期病院に必要かと言えばそうではないだろう。本稿では、現実的にどのあたりの病院までが投資を行い得るかについて、線引きになる基準および今後の展開について私見を交えて言及する。
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次回配信は11月28日を予定しています
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