厚生労働省が8月31日に開催した医薬品の迅速かつ安定的な供給のための流通・薬価制度に関する有識者検討会で、伊佐進一厚労副大臣は、「特許期間中も薬価が下がるのはG7の中で日本だけ。日本の市場の魅力をもう一回取り戻す」と、その思いを語った。構成員からは、今後も横ばいまたはマイナス成長の見込みの中、財務省のマクロ経済スライドは薬剤費を経済成長率並みに伸ばすことはある程度許容していると捉え、「薬剤費総額の伸びはGDP成長率以上を確保すべき」との意見が示された。【ライター 設楽幸雄】
有識者検討会8人のうち2人が、薬剤費のマクロ経済スライドに関連する考え方を示した。
マクロ経済スライドは、財政制度等審議会の5月の建議に盛り込まれた考え方で、真にイノベーティブな新薬まで薬価改定が行われ、改定ルールの頻回の見直しと合わせてイノベーションを阻害するとの指摘があることに対応し、提示した。
具体的には、「真にイノベーティブな新薬は薬価を一定期間維持するが、薬剤給付費の伸び率は経済成長率と乖離しない」という薬剤費総額をコントロールする方式で、総額の伸びを経済成長率と乖離させないために、他の医薬品については薬価改定率を調整する方式。
これを、薬剤費総額のマクロ経済スライド制度としている。
(残り889字 / 全1424字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】