【小濱介護経営事務所 代表 小濱道博】
1.10月からの新加算「介護職員等ベースアップ等支援加算」
10月から「介護職員等ベースアップ等支援加算」を創設する2022年度介護報酬改定について、2月28日に社会保障審議会が答申した。基本的な算定要件は、2月から始まった介護職員処遇改善支援補助金と同じである。また、補助金同様に法人一括での処理が可能であるが、併設の場合であっても、対象外サービス、すなわち居宅介護支援などのケアマネジャーへの支給はできない。
これによって、処遇改善加算は3本立てとなり、事業者側に事務負担が重くのし掛かることは否めない。10月に一本化などで混乱させるより、補助金の仕組みをそのまま継続することが事業所側の負担軽減になるとの判断が働いたようだ。しかし、23年は社保審・介護給付費分科会において、24年度介護報酬改定の審議が行われ、加算の統合や対象サービスの拡大など、今後の在り方が再び検討されることとなる。
2.LIFE活用の本格化
21年11月17日に公表された福祉医療機構(WAM)の調査結果によると、「近いうちに利用申請予定」までを含めると介護老人保健施設(老健)が93.1%、通所リハビリテーション(通所リハ)が91.0%、特別養護老人ホーム(特養)が 88.2%、通所介護は78.1%がLIFEを利用すると回答している。しかし、LIFEのフィードバックは、21年度は暫定版のままで終了となる。そんな状況において多くの介護施設が抱える問題は、担当職員のモチベーションの維持である。LIFEの活用で、自分たちの提供する介護サービスをランクアップすると意気込んでいた職員の多くがここに来て疲弊しており、LIFEに対する不信感を増大させている。
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