コロナ関連の補助金で、多くの医療機関が黒字経営となった2021年。その一方で、残念ながら“倒産”した所もある。帝国データバンクがまとめた医療機関の倒産動向によると、21年は前年比2割増の33件だった。「決して少なくない」。この件数について、こう分析する同社情報統括部情報編集課の阿部成伸課長に今後の動向を聞いた。【川畑悟史】
帝国データバンク情報統括部情報編集課の阿部課長
-21年に倒産した医療機関は33件ありました。この数字をどう見ればいいのですか。
ここ数年の医療機関の倒産件数を振り返ると、17年は25件だったのですが、18年は40件、19年が45件と急増していました。倒産件数の分岐点として、年間40件超を危険水域と考えています。この2年は医療機関以外の倒産件数も増加局面にあり、20年は医療機関も含めかなり倒産する所が出てくるのではと、当初は見ていました。
ところが結果的に、20年の医療機関の倒産件数は27件で前年を大幅に下回りました。「受診控え」による経営への影響も心配されましたが、国の緊急対策や、融資返済でリスケジュールに対応した金融機関も多かったことから、医療機関の倒産件数は減りました。21年も国などのコロナ関連の補助金により、医療機関の倒産は33件と抑制状態が続きました。
ただ、
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