全国のウェブ担当者が見本とすべき「ウェブサイト」を選ぶ「Webグランプリ・企業グランプリ部門」(主催=日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)で、2021年版の「BtoCサイト賞」のグランプリに済生会熊本病院が輝いた。過去8回のグランプリ受賞サイトを見ると、KDDIや雪印メグミルクといったブランディング戦略を展開する企業が名を連ねる。その一角に初めて病院が名を刻んだ。病院もブランディングを意識した経営がいよいよ本格化しそうだ。同病院企画広報室主任の東賢剛氏に、受賞サイトの開発への思いなどを聞いた。【川畑悟史】
グランプリ受賞の喜びを語る済生会熊本病院企画広報室の東氏(写真は同病院提供)
-グランプリ受賞おめでとうございます。
ありがとうございます。そうそうたる企業がエントリーする中で、高みを目指していこうと、企画広報室の中山麻沙子室長、Web担当の田上久美子室員、前任者の森本通子室員の4人で挑戦しました。より多くの患者さんに見てもらうためには、どうしたらいいのか。いっそうブラッシュアップをするための知見を得るために参加しました。今回の受賞を通じて、リニューアルの方向性が正しいことが確認できました。
-なぜ、ウェブサイトをリニューアルしたのですか。
それまでのウェブサイトは開設から8年が経過し、機能が陳腐化していました。また、現場の要望や医療の変化に応じて、いろいろなコンテンツを追加していったため、情報過多になり、知りたい情報が患者さんに伝えられているのかという不安もありました。他にもスマートフォンへの対応やウェブサイトのコンテンツの一元管理などを行うコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)の刷新などを行うためです。
そこでリニューアルの実施を計画したのですが、特に、こだわったのが患者さんをはじめとした利用者目線に合わせたウェブサイトの開発です。リニューアル前は、診療科からの要望などをウェブサイトに反映させるケースが多く、自分たちの伝えたいことを発信していました。一方、患者さんは、外来受診や面会の案内を見るケースが多いのですが、こうした利用者にとって必要な情報が、検索しないと分かりにくい、ウェブサイトの奥深い所に入っていました。
リニューアル後は、ウェブサイトのトップの目立つ所に「初診」や「再来」などのタグを設けるなど、利用者目線を優先したサイト運営を行っています。
-これまではどちらかというと病院目線でのウェブサイト作りが行われてきました。リニューアルはスムーズにできたのでしょうか。
(残り1603字 / 全2667字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】