厚生労働省は27日、緊急時に医薬品などを迅速に承認する新制度の詳細を明らかにした。医薬品医療機器等法では原則として有効性・安全性が確認されることを承認の条件としているが、新たな仕組みでは安全性の確認を前提とした上で、有効性が推定の段階でも承認する。感染症のアウトブレイクといった事態で治療薬などを早期に使用できるようにするのが狙い。来年の通常国会で同法改正案を提出する予定。【松村秀士】
この「緊急承認制度」は、国民の生命や健康に重大な影響を与える恐れがある疾病の蔓延や健康被害の拡大を防止するために緊急に使用する必要がある医薬品などで、他に代替手段がない場合に発動される。現下の新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクや原子力事故、バイオテロといった事態での発動が想定されている。
対象となるのは、ワクチンや治療薬を含めた医薬品や医療機器、再生医療等製品。緊急時でもこれらの安全性の確認を前提とするが、有効性については個々の品目の性質に応じて判断する。
■承認には有効性確認できる情報収集必須
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