医療用医薬品の流通改善で最大の課題となっている一次売差マイナスは、2021年度上期が3.4ポイントとなり、20年度の3.7ポイントから0.3ポイント縮小した。しかし、大きな要因であるメーカーの仕切価率は上昇傾向が変わらず、薬価100に対して95.4となり、前年度から0.3ポイント上昇して、リベート・アローアンスの仕切価への転換は進んでいない。22日の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」に厚生労働省が資料を提出した。【ライター 設楽幸雄】
医療用医薬品を卸が医療機関に納入する価格が、メーカーが卸に販売する価格である仕切価よりも安く、卸は赤字の形で医療機関に納入しているのが現状となっている。この赤字の状況を「一次売差マイナス」と呼んでいる。
ただ、卸もメーカーも、その状態で取引を続けられるわけではなく、赤字を埋めるために、メーカーは卸に対して、リベートやアローアンスとして割戻しを行い、それによって、卸は最終的に黒字を維持する。
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