社会保障審議会の医療保険部会は9日、2022年度診療報酬改定の基本方針案を大筋で了承した。医療の現状を踏まえた重点課題に「効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築」など2つを掲げた。重点課題が複数設定されるのは12年度の改定以来。基本方針案は同日、社保審医療部会でも了承される見通し。厚生労働省は、正式な基本方針を近く公表する。【兼松昭夫】
22年度の診療報酬改定は、新型コロナウイルスの感染拡大に医療現場がさらされる中で行われる。それだけに厚労省の基本方針案では、新型コロナへの対応に引き続き全力を注ぐ姿勢を前面に打ち出した。
重点課題でも、医師など医療従事者の働き方改革の推進を20年度から引き継ぐ一方、新型コロナなどの新興感染症の拡大に対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築を1つ目に掲げた。感染症の拡大に備えて地域の医療機関の役割分担や連携を促し、緊急時に医療体制を迅速・柔軟に切り替えられる体制の確保を目指す。
入院医療では、医療機関の機能や患者の状態、地域の役割分担に応じた評価を行う。質が高く効率的・効果的な医療提供体制を構築するため、さらなる包括払いの在り方も検討する。
外来医療では、紹介状なしに受診した患者からの定額負担制度の徴収を義務付ける病院を拡大するなど機能分化・連携を促し、在宅医療への円滑な移行に必要な連携も進める。
医療機関や薬局のかかりつけ機能に対する評価を引き続き充実させる方向性も示した。慢性疾患を複数持つ患者が増えることを想定し、「かかりつけ医機能」には、総合的・継続的な診療や療養上の指導、服薬管理、健康管理などを挙げた。
佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)は
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