厚生労働省は、「市場規模が数千億円を超える薬剤」が承認された場合の対応について、5日の中央社会保険医療協議会・薬価専門部会に論点として提示した。近く承認が見込まれるアルツハイマー病新薬アデュカヌマブ(バイオジェン=エーザイ)を想定したもの。診療側、支払側とも、厳格な薬価算定に加えて、費用対効果評価、市場拡大再算定などを組み合わせた複合的な対応が基本になるとの考えを示した。【ライター 設楽幸雄】
アデュカヌマブは、日本では2020年12月に承認申請されており、申請から1年以内に承認の厚労省方針の下で、近く承認が見込まれる。また、薬価収載時期は、承認から60日以内のルールでは22年2月頃と見込まれるが、4月に薬価改定があるため、薬価改定後の4月になるとみられる。
こうした状況を踏まえて、日本医師会総合政策研究機構は8月にまとめたリサーチレポートで、米国薬価を円換算すると年間薬剤費は610万円となり、対象患者の1割の使用だけで5兆円に達するとの試算を示し、「国民皆保険制度の持続性にも配慮した適応や投与形態、薬価を設定する必要がある」と提起していた。
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