高齢者のポリファーマシー対策を地域全体で進める際の課題の解決につなげるため、厚生労働省は2022年度に新たなモデル事業を行う。高齢者への医薬品の適正使用を促す指針などを活用しながら病院や診療所、薬局などによる連携の取り組みを「モデル地域」で実際に進め、課題を洗い出す。【兼松昭夫】
省内の「高齢者医薬品適正使用検討会」に4日、事業の実施案を示し、了承された。それを受けて厚労省は、モデル地域の公募要項を近くまとめる。新たな事業は、病院、診療所、薬局などによる連携での実施を想定。政府が年末に決定する22年度予算案も踏まえ、なるべく早くモデル地域を選定する。
ポリファーマシーは、多剤投与のうち、有害事象の発生リスクの増加や服薬アドヒアランスの低下、「服薬過誤」などにつながる状態。ふらつき・転倒や記憶障害などの有害事象は6種類以上の服用で大幅に増えることを示すデータがある。複数の疾患を抱え、多剤投与になりやすい高齢者では、ポリファーマシー解消など医薬品の適正使用促進が課題とされている。
(残り491字 / 全933字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】