中央社会保険医療協議会の総会が27日開かれ、厚生労働省は、特定の分野で高いスキルを身に付けた専門看護師や認定看護師が単独で行う訪問看護への評価を2022年度の診療報酬改定で充実させることを提案した。高齢化によって在宅医療へのニーズが高まる中、自宅にいても質の高い看護を受けられるようにするのが狙い。【兼松昭夫】
また、「特定行為研修」を修了した看護師の単独訪問に対する評価の充実や、同行訪問への新たな評価も検討する。厚労省は、研修修了者が訪問することで、利用者や家族の負担軽減などにつながっているとの見方を示した。具体的な対応は引き続き詰める。
厚労省案への反対意見はなかった。ただ、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「患者さんの状態や看護の内容に応じた評価にすべきだ」とくぎを刺した。支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)も、患者の状態に応じて、適切な職種が適切な頻度で訪問する仕組みにする必要性を指摘した。
医師の指示書などに基づき、専門看護師や認定看護師が単独で訪問看護を行う場合、現在は通常の訪問看護基本療養費Iイを算定する仕組み。これに対し、ほかの訪問看護ステーションや医療機関の看護師に同行し、共同で訪問を行う場合は、評価が高い訪問看護基本療養費Iハを算定できる。また、特定行為研修を修了した看護師が行う同行訪問に関する診療報酬上の規定はない=図=。
厚労省案は、専門看護師や認定看護師と共に、特定行為研修の修了者を「専門性の高い看護師」と位置付け、そうした看護師が単独や共同で行う質の高い訪問看護への評価を充実させる内容。
特定行為のうち、「創傷管理」など3区分の研修をそれぞれ修了した訪問看護ステーションの看護師2人が、下半身不随の患者の退院後に訪問看護を行ったケースでは、通院回数が月8回から2回に減少したといい、厚労省は、研修修了者の褥瘡ケアが利用者・家族の身体的・経済的な負担軽減につながっているとの見方を示した。
専門看護師や認定看護師と特定研修修了者の役割を同等と受け止めているのかを問われると、同省保険局の井内努医療課長は、
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