【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
地域医療構想で不足するとされているものに、回復期機能と整合的な病棟の代表としての回復期リハビリテーション病棟が挙げられる。当該病棟については収益性が高く、コロナ禍の第1波でも高利益率を確保しており、急性期とは対照的な存在であることは本連載でも取り上げてきた(連載第136回)。
ただ、回復期的な機能の病床が不足することと、回復期リハビリテーション病棟の充足状況には、別の意味があるとも考えられる。グラフ1は、直近の2020年度病床機能報告データを用いて、都道府県別に人口10万人当たりの回復期リハビリテーション病床数を見たものであり、地域によってはすでに過剰と言える状況なのだろう。ただ、最も病床数が充実している高知県などが上位の入院料を届出している割合が多いかというと、必ずしもそうではなく、病床数だけで評価できるものではないようだ=グラフ2=。
リハビリテーションによって患者を回復させることが当該病棟の使命であるから、充実したリハビリテーションが期待されるところである。また、このような地域差の解消に向けてさらなる充実を図るため、本稿では、開設主体やDPC参加の有無に着目し、回復期リハビリテーション病棟の実態に迫っていく。
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次回配信は11月8日5:00を予定しています
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