外来医療の機能分化が次期診療報酬改定の大きな課題となっている。しかし、特定機能病院と200床以上の地域医療支援病院で実施されている初再診時定額負担の義務化の下でも、外来延患者数の大病院と診療所との構成割合に変化は見られていない。厚生労働省が公表した2020年度概算医療費では、外来延患者数の比率は、診療所75.2%、病院24.6%で、17年度からの3年間の病院から診療所への移行は0.3ポイントにとどまり、逆に大学病院は0.1ポイント増加した。【ライター 設楽幸雄】
外来医療の機能分化では、200床以上の大病院は専門外来に特化し、一般外来は診療所と200床未満の病院が担う方向が示されている。
初再診時定額負担の義務化は、16年度から、特定機能病院と許可病床400床以上の地域医療支援病院で開始され、18年度からは地域医療支援病院について一般病床200床以上に拡大された。
中央社会保険医療協議会の検証調査では、地域医療支援病院では、18年度から新たに対象となった一般病床200-399床の病院で、紹介状なしの初診患者の割合が前年の45.7%から43.9%へと1.8ポイント減少するなど、多少の効果は見られた。
しかし、20年度概算医療費と共に、厚労省がまとめた電算処理分の医科医療費の動向によると、外来延患者数を示す入院外の受診延日数の病院と診療所の構成比率は、19年度の病院24.97%・診療所74.90%が、20年度は病院24.64%・診療所75.22%で、病院は▲0.33ポイント、診療所は+0.32ポイントと、わずか0.3ポイント程度の移動でしかなかった。
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